全館空調は必要?不要?導入して分かった本当のメリット・デメリット

全館空調 理想と現実
全館空調イメージ
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全館空調ってどうなの?

家づくりを考え始めたとき、まず気になったのが「エアコンはどうするか?」ということでした。

夏や冬を快適に過ごすためには空調は重要。でも、家全体のエアコンをどう配置するか、そもそもエアコンでいいのか? そんな疑問が出てきました。

そこで出てきたのが「全館空調」という選択肢です。

普通のエアコンとの違いは? どんなメリット・デメリットがあるの? 実際に導入した人の感想は?

この記事では、全館空調についての基礎知識から、導入を検討する上でのポイント、そして我が家で全館空調を採用した理由と実際の使用感について詳しく紹介します。

全館空調の導入を迷っている方の参考になれば幸いです。

では、まずは全館空調の基本から見ていきましょう。

全館空調とは?(基礎知識)

「全館空調」とは、家全体を一つのシステムで冷暖房する空調方式のことです。一般的なエアコンのように各部屋に個別の室内機を設置するのではなく、一つの空調システムで全室の温度を管理します。

全館空調の特徴は、主に以下の3点です。

  • 家全体の温度が均一:部屋ごとにエアコンを調整する必要がなく、どこにいても快適な温度を維持できる。
  • 見た目がスッキリ:室内機が不要になるため、インテリアの邪魔をしない。
  • 換気と一体化できる:換気システムと組み合わせることで、室内の空気を常にきれいに保てる。

一方で、全館空調にはデメリットもあります。

  • 初期費用が高い:導入コストが通常のエアコンよりも高額になる。
  • メンテナンスが必要:定期的なフィルター清掃や、システムの点検が必要。
  • 故障時の影響が大きい:システムが壊れると、家全体の空調が停止する可能性がある。
全館空調

全館空調イメージ

代表的な全館空調システム

全館空調システムには、各メーカーごとに特徴の異なる商品があります。代表的なものを3つ紹介します。

こうしたメリット・デメリットを踏まえて、全館空調は「快適な室内環境を重視する人」に向いている一方で、「初期コストを抑えたい人」にとっては慎重に検討すべき選択肢と言えます。

次に、全館空調と一般的な個別エアコンの違いを詳しく比較していきます。

全館空調 vs 個別エアコン 比較検討

全館空調と個別エアコン、それぞれの特徴を比較すると、どちらが自分の家に合うのかが見えてきます。

快適性の違い

全館空調:家全体が均一な温度になり、部屋ごとの温度差が少ない。ただし、部屋ごとの細かい温度調整は苦手。
個別エアコン:部屋ごとに温度調整できるが、廊下やトイレ、お風呂場には空調が届かず、温度差が生じることがある。

コスト(初期費用・ランニングコスト)

全館空調:導入コストが高い。基本つけっぱなしなので、電気代も高くなるケースも多い。(一定に抑えられるケースもあり。)
個別エアコン:部屋の数によりコストが変動するが、全館空調システムより割安なケースが多い。人のいる部屋だけ動かすため、電気代に無駄をなくせる。

メンテナンスの手間

全館空調:フィルター掃除や定期的な点検が必要。メーカーによってはメンテナンスが簡単なものもある。
個別エアコン:台数が多いと、それぞれの掃除・点検が必要で手間がかかる。

故障時の影響

全館空調:一部が壊れると家全体に影響する可能性がある。
個別エアコン:壊れても他の部屋のエアコンが使えるため、影響が限定的。

このように、全館空調と個別エアコンにはそれぞれメリット・デメリットがあります。

では、なぜ我が家は全館空調を選んだのか?次のセクションで詳しく説明します。

全館空調を選んだ理由(導入までの検討プロセス)

家づくりを進める中で、空調設備をどうするかは大きな検討ポイントでした。
最初は一般的な個別エアコンを考えていましたが、以下の理由から全館空調を選ぶことにしました。

理由その1:2.2帖の狭い書斎の空調に専用エアコンはもったいないと考えた

我が家には2.2帖のコンパクトな書斎があります。
個別エアコンを設置することも考えましたが、この広さではエアコンの風が直接当たりすぎたり、過剰な冷暖房になったりするのでは?と悩みました。

全館空調なら、適度に快適な温度が保たれるので、書斎だけのためにエアコンを設置する必要がなくなると考えました。

書斎の空調イメージ

書斎は約2.2帖のほぼ正方形サイズ。黒いところが空調吹き出し口で温度管理。

理由その2:家全体の温度差をなくしたかった

冬場に廊下やトイレに行くと寒い、夏場にお風呂場が暑いといった温度差は、住んでいるうちにストレスになりがちです。
全館空調なら、家全体をほぼ一定の温度に保てるため、どこにいても快適な環境を作ることができます。

理由その3:帰宅時や起床時、就寝時などを快適な温度で迎えたかった

個別エアコンの場合、出かけるときに消して、帰宅後にまたつけるという使い方が一般的です。
しかし、そのたびに部屋が暑かったり寒かったりして、快適な温度になるまでに時間がかかることが気になっていました。

全館空調なら、基本的に「つけっぱなし」で運用するため、
・朝起きたときも心地よい温度
・仕事から帰ってきたときもすぐに快適
・寝るときも室温が安定している
といったメリットがあり、生活の質が上がると考えました。

理由その4:エアコンの存在感が気になった

個別エアコンを設置すると、各部屋に室内機が必要になります。
デザイン的にエアコンの存在感が大きく、インテリアにこだわりたい場合は、見た目の影響が気になることもあります。

全館空調なら、天井や壁に吹き出し口があるだけなので、スッキリした空間を作れる点も魅力でした。

LDKリビング側

エアコンがなくすっきりしたリビング1

LDKダイニングキッチン側

エアコンの存在感なくすっきりした壁

理由その5:パナソニックのエアロハスは、全館空調のデメリットをカバーする特徴があった

全館空調には「導入コストが高い」「メンテナンスが面倒」といったデメリットがありますが、パナソニックホームズの全館空調 「エアロハス」 はそれらを軽減する仕組みがありました。

  • フィルター掃除が簡単で、メンテナンスの負担が少ない
  • 換気システムと連携し、温度・湿度を適切に管理
  • 省エネ性能が高く、電気代が抑えられる工夫がある

これらのポイントを総合的に考え、我が家では全館空調を採用することにしました。

次のセクションでは、実際に導入した「エアロハス」について簡単に紹介します。

我が家の全館空調エアロハスの紹介

我が家では、パナソニックホームズの全館空調システム 「エアロハス」 を採用しました。

エアロハスは、一般的な全館空調のデメリットとされる「メンテナンスの手間」や「省エネ性の課題」を考慮したシステムです。

エアロハスの特徴

  • 換気システムと連携:換気システムとダクトを共用しているため、室内だけでなくダクト内も清潔に保てる
  • 部屋ごとの調整が可能:基準温度から上下2℃だが、部屋ごとの設定が可能
  • フィルター掃除が楽:一般的な全館空調と比べてフィルター清掃の頻度が少なく、メンテナンスの手間が軽減される。
  • 省エネ性能:エアコンのようにオンオフを繰り返さず、常時運転しながら効率よく冷暖房することで、電気代を抑えられる。
  • 故障時のコストが低い:家庭用エアコンで冷暖房するシステムなので、万が一故障した場合でも、修理や交換のコストが比較的抑えられる。

エアロハスの特徴は公式サイトから

なぜエアロハスを選んだのか?

エアロハスを選んだ最大の理由は、全館空調のデメリットとされる点をカバーしていることでした。

  • 換気システムとの一体化:空調だけでなく、換気も同時に管理できるため、室内の空気環境が向上。
    ダクト内も清潔に保てるため、長期的に快適な環境を維持できる。
  • メンテナンスが楽:フィルター掃除が簡単で、手間がかからない。
  • 故障した際も修理・交換がしやすい:家庭用エアコンを利用しているため、全館空調専用の高額な修理費用がかからず、比較的コストを抑えられる。
エアロハスフィルター

エアロバスのフィルター。メンテナンスは取り外して掃除機かけるだけ。

次のセクションでは、実際にエアロハスを使ってみた感想を紹介します。

実際に使ってみてどうだった?(リアルな体験談)

全館空調「エアロハス」を導入してから、実際の暮らしの中で感じたことをまとめました。

良かった点

  • 家全体が快適(夏も冬も温度差なし)
    冬場にトイレや廊下が寒くないのは、本当に快適。
    夏も家全体が涼しく、どこにいてもストレスなく過ごせる。
  • エアコンの風が直接当たらない
    個別エアコンのように風が直接肌に当たることがなく、空気がやわらかく感じる。
  • 24時間つけっぱなしでも、思ったより電気代が高くなかった
    常時運転しているものの、効率よく動作するため、月々の電気代がそこまで跳ね上がらない。
    太陽光発電と非常に相性がよく、それもあって思ったより電気代が高くなってない。
  • フィルター掃除が意外と楽
    事前に気にしていたフィルター掃除も、実際にやってみるとそこまで大変ではなかった。

気になった点・デメリット

  • 冬場の加湿が必須
    空調で家全体が温まるぶん、湿度が下がりやすい。冬場は加湿器を併用しないと乾燥しがち。
    何も対策しないと湿度が20%台前半まで下がるため、加湿器を活用するのが必須になった。
  • 故障時の不安
    交換コストがそんなにかからないとはいえ、もし壊れたら家全体の空調が止まるので、その点は少し心配。
  • つけっぱなし前提の運用
    基本的に24時間運転する仕様なので、「今日はちょっと涼しいから止めよう」といった細かい調整はしづらい。
    ただ、つけっぱなしに慣れてしまえば、細かいオンオフをしなくていい分、楽に感じることも多い。

実際に使ってみて、全館空調は「合う人には最高のシステム」だと感じました。
次のセクションでは、どんな人に向いているのかをまとめます。

こんな人には全館空調が向いている!

全館空調にはメリット・デメリットがありますが、特に以下のような人にはおすすめのシステムです。

全館空調が向いている人

  • 家全体の温度差をなくしたい人
    冬場に廊下やトイレが寒いのがイヤ、夏場のお風呂場が暑いのがイヤ、という人にはぴったり。
  • エアコンの風が苦手な人
    直接風が当たると不快に感じる、乾燥しやすいのが気になる、という人にも向いている。
  • 24時間つけっぱなしで快適に過ごしたい人
    エアコンのオンオフを管理するのが面倒、帰宅時や起床時に快適な温度で過ごしたい人には最適。
  • 換気や空気の質も気にする人
    換気システムと連携した全館空調なら、空気の循環もできて、室内の空気質を清潔に保てる。
  • デザイン的にエアコンを目立たせたくない人
    部屋ごとに室内機を設置する個別エアコンに比べて、全館空調なら吹き出し口がスッキリしていてインテリアの邪魔をしない。

全館空調が向いていない人

  • 初期コストを抑えたい人
    導入費用が高めなので、できるだけ設備コストを下げたい人には不向き。
  • 細かい温度調整をしたい人
    部屋ごとに温度を変えたい人には、個別エアコンのほうが使いやすい。
  • メンテナンスが面倒な人
    フィルター掃除などの定期メンテナンスが必要なので、まったくメンテナンスをしたくない人には不向き。
  • つけっぱなしの運用に抵抗がある人
    基本的に24時間運転するシステムなので、電源をこまめに切りたい人には向いていない。

次のセクションでは、この記事のまとめと、全館空調を導入する際のポイントを整理します。

まとめ:エアロハスを導入してよかった?

全館空調「エアロハス」を導入して、実際に生活してみて感じたことをまとめると、結論としては「導入してよかった!」と感じています。

エアロハスを導入してよかったポイント

  • 家全体が快適で、温度差がない
    どの部屋にいても寒暖差がほとんどなく、快適に過ごせる。
  • エアコンの風が直接当たらない
    部屋ごとに個別エアコンを使うよりも、空気の質がよく、快適に感じる。
  • 太陽光発電との相性が良く、電気代が抑えられる
    24時間運転しているものの、想像以上に電気代が上がらなかった。
  • 換気システムと連携しているので、空気がクリーン
    ダクトを共用しており、室内もダクト内も清潔に保てる。

注意すべきポイント

  • 冬場の乾燥対策は必須
    何も対策しないと湿度が20%台前半になるため、加湿器の併用が必要。
  • つけっぱなし前提の運用
    基本的に24時間運転するシステムなので、「こまめにオンオフしたい」人には向かない。
  • 導入コストが高い
    初期費用が高めなので、予算と相談しながら検討する必要がある。

全館空調は、万人に合うシステムではありませんが、「家全体の快適さを重視する人」にとっては非常に満足度の高い選択肢だと感じました。

もし全館空調の導入を迷っている方は、自分のライフスタイルや予算に合うかどうかをじっくり考えてみるのが大切です。

この記事が、全館空調の導入を検討している方の参考になれば嬉しいです。

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